タイから植物を輸入する方法|必要な書類・費用・日数をまとめて解説
斑入りモンステラや珍しいソテツなど、タイには日本で手に入りにくい植物がたくさんあります。でも「海外から植物を買っても大丈夫?」「どんな書類がいるの?」と不安な方も多いはず。この記事では、バンコクで植物の輸出をしている当店が、タイから日本へ植物を輸入するときのルール・書類・費用・日数を、はじめての方にも分かるようにまとめました。
- タイの政府機関(農業局)が発行する植物検疫証明書が、どんなに少量でも必ず必要です。
- 土がついた植物は日本に入れられません。根についた土を落とした状態(ベアルート)で送ります。
- ソテツなどワシントン条約(CITES)の対象の植物は、さらにタイ側の輸出許可書が必要です。
1. 日本の植物輸入のルール
海外から日本に植物を入れるときは、「植物防疫法」という法律のルールに従います。目的は、日本にいない害虫や病気が入ってこないようにすることです。個人が趣味で買う1株でも、お店が仕入れる100株でも、ルールは同じです。
必ず守ること
- 輸出国の政府機関が発行した「検査証明書(植物検疫証明書)」をつける。少量の郵便物でも例外はありません。
- 土、土のついた植物は輸入禁止。どこの国からでも禁止されています。
- 日本に着いたら輸入検査を受ける。国際郵便(EMSなど)の場合は、郵便局に着いた時点で植物防疫官が検査するので、受け取る人が手続きをする必要はありません。
検査を受けずに持ち込むと、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科せられる場合があります。「少しだけだから」「バレないから」は通用しないので注意しましょう。
2. 必要な書類と、タイ側でやること
- 植物検疫証明書
- すべての植物で必要。タイ農業局(Department of Agriculture)の検査を受けて発行されます。英語で Phytosanitary Certificate といいます。
- CITES輸出許可書
- ワシントン条約の対象植物だけ必要。ソテツ類、一部のラン・サボテン・多肉植物など。タイ側で発行されます。
- インボイス(送り状)
- 中身と金額を書いた書類。国際郵便・宅配便で送るときに必要です。
タイ側では、植物を検査に出す前に、次のような作業をします。
- 根についた土を水で洗い流す(土落とし)
- 害虫がいないか確認し、必要に応じて消毒する
- 農業局の検査を受け、植物検疫証明書を取る(CITES対象なら許可書も)
- 乾燥・寒さから守るように梱包し、書類を箱に入れて発送する
モンステラなど一部の植物は、害虫検査の対象になっていて、検査に数日かかります。その分、発送までの日数が長くなります。
当店のこれまでの経験では、害虫検査はだいたい2日で終わり、発送できています。ただ、担当の方や時期によって、1日で終わることもあれば5日かかることも。予定どおりにいかないのも、タイらしいところです。そのため当店では、害虫検査の対象になる植物は「5営業日以内に発送」と、余裕をもってご案内しています。

ワシントン条約(CITES)の対象か、どう調べる?
ソテツ類(ソテツ科)はワシントン条約の対象です。ほかにも、ランやサボテン、一部の多肉植物などが対象になっています。対象の植物は、タイ側の輸出許可書がないと日本に入れられません。品目によっては、日本側でも経済産業省の手続きが必要になることがあります。「欲しい植物が対象かどうか分からない」ときは、買う前に確認しましょう。
3. 費用の目安
タイから植物を輸入するときにかかるお金は、大きく分けて4つです。
- 植物代
- お店や株の大きさで大きく変わります。
- 書類の取得費
- 植物検疫証明書など。当店のおまとめ発送では、1箱あたり1,200バーツです。
- 国際送料
- 重さ・箱の大きさで決まります。当店の場合、日本までは1,500バーツ〜が目安です。
- 梱包資材・消毒など
- 断熱材や箱、害虫対策の費用など。実費です。
関税・消費税は?
日本に届いたときに、関税や消費税がかかる場合があります。ただし、課税価格の合計が1万円以下の荷物は、関税も消費税も免除されます。また、自分で使うための個人輸入では、課税の基準が海外の小売価格より低く計算される特例があります。高い株を買うときは、税金の分も予算に入れておくと安心です。
4. 届くまでの日数
当店の場合の目安です(土日・タイの祝日を除く営業日)。
| 流れ | 一般的な植物 | 害虫検査の対象植物 |
|---|---|---|
| ご入金→発送 | 2営業日以内 | 5営業日以内 |
| 発送→日本に到着 | 約5日 | 約5日 |
タイのお店から当店へ送ってもらう「おまとめ発送」や、当店が現地で仕入れる場合は、植物が当店にそろうまでの日数(仕入れは通常3〜7日)が加わります。
5. よくある失敗
当店も始めたころは、害虫検査の申請の仕方や、どの植物がどの検査の対象になるのかが分からず、ずいぶん苦労しました。今は手順が決まっているので失敗はありませんが、はじめての方がつまずきやすいのは次のようなところです。
- 書類を出せないお店から買ってしまうフリマや個人の出品者から買うと、植物検疫証明書を取ってもらえないことがあります。その場合は、植物を一度輸出業者に集めて、書類をまとめて取る方法(おまとめ発送)があります。
- 土がついたまま送られてくる日本の検査で土が見つかると、その植物は廃棄や返送になることがあります。
- ワシントン条約の対象だと知らなかったソテツなどは許可書が必要です。許可書がないと、日本に入れられません。
- 寒い時期に梱包が不十分熱帯の植物は寒さに弱いので、冬は断熱材でしっかり包む必要があります(当店の冬の梱包は、下の「よくある質問」で紹介しています)。
6. 自分で手配する?輸出業者に頼む?
| 自分で手配する | 輸出業者に頼む | |
|---|---|---|
| 向いている人 | タイに住んでいる・タイ語ができる・何度も輸出している人 | 日本に住んでいる人、はじめての人 |
| 手間 | 検査の予約、土落とし、梱包、書類づくりを全部自分で | 植物を選ぶだけ |
| 費用 | 業者の手数料はかからない | 手数料はかかるが、書類代・送料をまとめられる |
| 失敗したとき | 自分で責任を負う | 業者が現地で対応してくれる |
日本に住んでいて、タイで気になる植物を見つけた方は、輸出業者に頼むのが確実です。当店では、入荷中の植物の販売のほか、タイの別々のお店で買った植物をまとめて送るおまとめ発送や、法人・卸のお取引にも対応しています。
7. よくある質問

当店の場合、ご入金から発送までは一般的な植物で2営業日以内、害虫検査の対象になる植物で5営業日以内です。発送から日本に着くまでは約5日です(土日・タイの祝日を除く)。くわしくは届くまでの日数をご覧ください。
大丈夫です。当店では冬のあいだ、植物を一株ずつ厚い断熱材で包み、さらに箱全体も薄い断熱材で覆って発送しています。これまで、寒さによるクレームはいただいていません。
はい、必要です。株の数や金額に関係なく、植物には検査証明書が必要です。
できません。土は日本への輸入が禁止されています。根を洗って土を落とした状態(ベアルート)で送り、届いたら植え付けていただきます。
日本の輸入検査で害虫などが見つかった場合は、消毒や廃棄になることがあります。当店では出荷前に害虫の確認・消毒をしてから発送しています。
はい。お店や個人から買った植物を当店にお送りいただければ、書類をまとめて取って発送できます(おまとめ発送)。
- 植物を海外から日本へ持ち込む場合の規制(植物防疫所)
- 郵便物(植物防疫所)
- 輸入条件に関するデータベース(植物防疫所)
- ワシントン条約に基づく輸出入規制:日本(ジェトロ)
- 課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について(税関)
制度は変わることがあります。最新の情報は各機関のページでご確認ください。
